こむらがえりにかかわる病気とは? 2「腰椎椎間板ヘルニア」

2016.01.24

どんな病気?
背骨の神経が圧迫され、痛みなどの症状が起きます。
椎間板は、背骨と背骨の間にあり、衝撃を吸収するクッションの役割をしている組織です。椎間板に亀裂が入って内部にある髄核という組織が飛び出し、神経を圧迫している状態を椎間板ヘルニアといいます。
椎間板ヘルニアは首(頸椎)にも起こりますが、腰(腰椎)に強い痛みが生じる腰椎椎間板ヘルニアがもっとも知られています。働き盛りの20~30代の男性に多いといわれていますが、40~50代の人や女性、高齢者にもみられます。

その他の病はこちら

こむらがえりにかかわる病気とは? 1「糖尿病」
こむらがえりにかかわる病気とは? 3「腰部脊柱管狭窄症」

 

 

腰椎椎間板ヘルニアの原因は?
加齢による椎間板の変化が主な原因です
椎間板の内部にある髄核はゲル状の組織ですが、その水分量は20歳をすぎると年齢とともに減少して粘り強さがなくなります。さらに椎間板の線維輪という組織に亀裂が生じ、何らかのきっかけにより髄核が押し出されてしまうのです。
腰椎椎間板ヘルニアは、腰を駆使する仕事についている人、激しいスポーツをする人にも発症しやすい病気です。
また、長年の無理な姿勢や、長時間の座り仕事なども腰に負担をかけ、椎間板を圧迫してしまいます。さらに、重いものを持ち上げる、引っ張る、体をひねるなどの動作のほか、くしゃみや咳なども、髄核が飛び出すきっかけになることもあります。
いわゆる「ぎっくり腰」は腰椎椎間板ヘルニアの前兆かもしれません。また、喫煙でヘルニアが起こりやすくなることも知られています。

 

どんな症状があるの?
腰痛や、太ももから足の痛みやしびれに注意!
一般的には、最初に腰痛があらわれ、そのあと片側の太ももから足にかけて、電気の走るような痛みやしびれが加わってきます(下肢放散痛)。咳やくしゃみをすることで痛みがひどくなることが特徴です。痛みが強いと、痛みを抑えようとする防御反応で背骨が横にゆがんでしまいます(疼痛性側弯)。症状が進行すると下肢の力が入りにくくなり、うまく歩けない、つまずきやすくなるなどの運動障害が起こります。ヘルニアによる神経の圧迫が強くなると、排尿や排便の障害を生じることもあります。

 

どうやって診断するの?
神経症状を確認し、レントゲンなどで診断します
いろいろな原因があり、また状態により治療法が異なるため、正確な診断が重要です。膝を伸ばしたまま足を挙げて神経痛があらわれるかどうかを確認する下肢伸展挙上試験や、親指の力の検査、下肢の感覚検査などで診断します。そのほか、必要に応じて骨シンチグラフィー、筋電図検査、血液・尿検査などを行い、さらにX線(レントゲン)やMRIなどで椎間板の状態を調べます。

 

どんな治療法があるの?
コルセット、運動療法などで症状を改善します
大き目のヘルニアでも3~6か月で体内に吸収され、時間が経てば自然に治る症例があります。そのため、保存療法が基本となります。痛みが強い時期には、コルセットなどを装着し、安静を心がけます。症状によっては、腰を温める、骨盤牽引などの理学療法も行われます。
また、消炎鎮痛剤の内服や坐薬、神経ブロックなどの薬物療法により、痛みをコントロールします。
痛みが改善されたら、リハビリを始めます。まずは腰に負担をかけない軽い運動やストレッチから始め、プールで歩行するなど徐々に身体をなじませていき、それから腰痛体操などのリハビリプログラムを行うといいでしょう。正しい姿勢を心がけつつ、腹筋や背筋を鍛えることが重要です。
特に高齢者の場合は痛みや運動障害により、寝たきりになってしまうリスクがあるので、少しでも体を動かす習慣を保ち、できるだけ早期からリハビリを行います。

 

日常生活に支障がある場合は、手術を検討
治療を6週間行っても症状が改善されず、我慢できない強い痛みのために日常生活が著しく制限されたり、尿意がわからなくなって失禁したり、肛門がしびれて締りがなくなるなど、重い症状がみられる場合、神経を圧迫しているヘルニアを切除する手術が行われます。手術に至るほど重篤な患者さんは、100人に1人ぐらいだと考えられています。
最近では、内視鏡下椎間板摘出術(MED:メド)や経皮的内視鏡下椎間板摘出術(PED:ペド)など、内視鏡を用いた負担の少ない手術法が行われるようになりました。特にPEDは6~8ミリの傷で日帰り手術が可能となり、超早期の社会復帰ができる、期待される手術法です。
自然治癒力を最大限に生かす体に負担の少ないこれらの治療は、今後ますます普及していく可能性があります。

 

ページトップ